【後編】「褒められたくて走った少年、プロのラガーマンになるまで」尾又寛汰ロングインタビュー

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若手の時の「ギラギラ」した気持ちをいつまでも忘れたくない。

 尾又選手は今年30代を迎えたわけですが、なにか考えていることはありますか?

尾又選手 いや、ないですね。特に何かを変えるつもりはないですが、ラグビーに関してはよりギラギラしていきたいですよね。そういう意味では初心に戻りたいというか。

人間の記憶って、うまくいっている時よりも、そうじゃない時の方が残っているものじゃないですか?
ホンダ時代、スタメンで試合に出れなくて寂しかった。あの時の気持ちは今でも全然覚えているんですよ。そういう辛い思い出が僕の中ではずっと残っている。

二度とそうならないように、ベテランぶって縮こまるんじゃなく、ずっと若手のようにエネルギッシュにギラギラしていたいと思っていますね。

 よりプロとして自分を磨いていきたいということですね。

尾又選手 まぁ、僕の場合は、まだプロになって3年目ですから。まずはがむしゃらにやっていく。
その中で自分だけの課題を見つけていくということです。人並みの選手にならないように。
そこは常に気をつけているところですね。髪型も人と被らないようにしていますよ(笑)

緊張感を味方につけるために、自分にできる最高の準備をしておく。

 尾又選手ってすごい勝負強いイメージがあるんですが、なにか勝負事の時にスイッチを入れる方法などあるんですか?

尾又選手 ありますね。僕にとっては香水をつけることがそれに近いかもしれません。

普段用、練習用と試合用、スーツを着る用と色々使い分けているんですよ。

 そのブランド名を教えてもらっても良いですか?知りたい方もいらっしゃると思うので。

尾又選手 (笑)そうですかね。普段はジミーチュウやJo Maloneをつけていますね。スーツの時はDiorが多いかな。

試合の時は、また、今年変えようと思っているので考え中です(笑)僕はいつも同じ香水をつけるようなルーティンを固定することはしたくないんですよ。

 準備の方法を固めないってことですか?

尾又選手 準備はすごいするんですけど、試合前のルーティンは決めないというか。

昔、元日本代表の廣瀬俊朗さんのセミナーを受けた時に聞いた話なんですけど、「自分にコントロールできるところだけにフォーカスする」というものがあって。

ラグビーでいうと、最終的なメンバー選考の結果だったりとか、試合当日の天気の良し悪しだったりとか、こういうものは自分でコントロールできないんですよね。そこに対してストレスをかける必要はないんですよ。

例えば、試合前のルーティンを固定してしまうと、もし何か自分にコントロールできないトラブルがあって、ルーティンができず試合に臨んだ時に、逆に集中できなくなりそうで。

僕はその代わりに、ルーティンにもならないようなことを試合前にはやろうって決めていて。つまり「いつも通り」を心がけていますね。

自分は結構ハッピーなやつなんですよね。試合になってもそんなに緊張しないし。むしろ、「今日、トライ獲ったら気持ちいいだろうなぁ」みたいなことばっかり考えちゃうんですよ。

面白いのが真逆の選手もいるみたいで。最悪な状況をイメージして臨む選手も中にはいるんですよ。
それを想定しておけば、試合で何が起きても大丈夫って考えみたいですよね。

まぁ、こんなこと言ってますが、やっぱり僕も少しは緊張しているんですよ。

ただ、緊張はあるものだと思って、どうやって付き合うか。緊張を味方につけてむしろ試合の時の緊張感をキタキタキタ!!って楽しもうと思っていますね。

むしろ、僕が悪い緊張する時は、準備不足の時だけだと思うんですよ。自分ができる準備を全部やって「これ以上やれることないよ!」っていうところまで行けば緊張のしようがないんです。

特に、プレシーズンの時期でいかに自分の体を追い込めるかなんです。シーズンに入ってから、筋力や体力が上がることはまずないので、体を作るのは今なんです。自分の体のキャパを増やすんです。

そう簡単に上がるもんではないですが、とにかく今は追い込んでます!

 お話、ありがとうございました!今シーズンも期待しています!!

尾又選手 はい!がんばります!!ありがとうございます!



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