【後編】「褒められたくて走った少年、プロのラガーマンになるまで」尾又寛汰ロングインタビュー

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NECグリーンロケッツをまず勝たせることが自分の使命。日本代表は僕の仕事じゃない。

 その後、ホンダヒートに5年在籍されていたんですが、NEC移籍するきっかけはどのようなものだったんですか?

尾又選手 プロになりたかった。というのがまず第一にあったんですよね。
あとは、僕がホンダに入団した時にやると決めていた目標を5年経った時点で、ある程度、達成できた感じもあったというか。

 例えば、レメキ選手のようにラグビー日本代表の選手もいた中で、自分も日本代表になる!みたいな気持ちはその時点では無かったんですか?

尾又選手 僕は日本代表を目指すことに対してすごくハードルの高いものだと思っているし、リーグワンで活躍することと別物と思っています。

マノもそうだし、日本代表になっている知り合いの話を聞くと、本当にリーグワンとは別カテゴリのような感じを受けるんです。

代表の場合は国を背負わなければいけないので、ただラグビーが強いだけではダメなんですよ。

様々な国への長距離の移動や、食事についても慣れが必要でしょうし…プレッシャーもケタ違いだと思うんです。
人間的にもっとタフじゃないとなれないような感覚を受けたんです。
むしろ、日本代表として戦ってくれている選手たちにものすごいリスペクトはあります。

 自分と同じポジションの選手でも応援するみたいな。

尾又選手 めちゃくちゃ応援してますよ!もちろん彼らのラグビープレーは参考にさせてもらいますけどね。
マノともよくこう言うこと話すんですが、世界におけるラグビー日本代表の位置付けがこの10年で大きく変わったと思うんですよ。

2015年の時点では正直、日本は強い国だなんて全く思われてなかったじゃないですか。それが2019年を経て完全に「世界の強国」認定されて、各国も日本に対してがっつり準備してきていると思うんです。

あのオールブラックスですら、日本にリスペクトを持ってくれているから、テストマッチでも良いメンバーを揃えてくる。

世界の強国と同じ土俵に立った以上は、これからさらに上を目指すのがすごく大変なことと思う。

マノ自身、日本代表でかなり戦っている選手ですし、一緒に戦った仲間のことをすごい好きだって言ってますけどね。

それよりも、僕にとっては今はNECグリーンロケッツでどう勝つかってことの方が大事ですね。それ以上のことは考えてないですね。

まぁ、その先にグリーンロケッツから日本代表選手が出たら、それはそれで面白いですよね。

 グリロケで日本代表を長年経験してきたと言ったら、田中史朗選手もいるじゃないですか。

尾又選手 フミさんは本当にすごいですよ。
ラグビーに対する姿勢や考え方が圧倒的で。並の選手じゃないですよね。やっぱり日本代表の選手なんだなって感じます。

チームを良くするために、衝突を恐れずに思ったことはどんどん言っていくし、他の人だったら避けるような嫌な役目もやってくれるんです。人間関係の摩擦を恐れずにバンバンぶつかっていく。

あと、単純にラグビーが上手かった!
僕はまだまだやれると思ってたんですけどね。みんなもそう思ってたはずです。

実はフミさんからの紹介で、「ハイアルチ」っていう高山トレーニングのスタジオに行きはじめたんですよ。勝つために何か変えなきゃな!って亀井と話して一緒に通うようになったんですよね。

 今年グリーンロケッツがD1に昇格するために、何が必要だと考えていますか?

尾又選手 戦術云々を除けば、一番は個々のレベルアップだと思います。やはり強いチームっていうのは80分しっかり戦えるだけの選手が揃っているんです。

少なくとも僕はそういう考え方で日々を過ごしています。僕が強くなれば、その分チームも強くなるんで。
チームプレーと言っても、全員が対面の選手に勝てればシンプルに強いチームになるわけですから。

 個々のレベルが上がれば、結果として戦術の幅も増えそうですしね。

尾又選手 それもそうですよね。監督やコーチがその部分はしっかりと整えてくれると思うので、あとはそれを遂行するだけですね。

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