決して派手ではない「つながり」が、チームと街を動かす。亀井亮依インタビュー

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グラウンドから街へ。人をつなげるラガーマンの視点

 
「コネクション」といえば、亀井さんって、グリロケの選手と我孫子のお店を繋ぐようなことも良くされていますよね。

NECに在籍されていた吉村紘選手を、地元我孫子の「めし屋味日和」に連れて行って「食事にストイックな彼でも食べられるご飯を作ってください」ってお願いしたというエピソードをお伺いしたことがありまして。

そういう所でも、人と人を繋げていますよね。

亀井さん
ラグビー選手は街でも「人と人を繋げる」役割をしても良いと、僕は思っているんですよ。
もちろん、僕らのラグビーの試合をグラウンドに見にきてくださるクルー同士での繋がり、というのは一つあると思うんですが、それ以外の場所でも僕らは「繋げる役割」はできると思っていて。

 
それに関しては、36COFFEEの美夢さんは非常に感謝していましたよ。
グリロケの選手たちが毎日のようにカフェに来てくれるおかげで、憧れていたカフェ運営ができているって。

亀井さん
それは、本当に良かったです。
NECグリーンロケッツって我孫子に練習場があるという「立地の良さ」も大いにあると思うんですよ。

人が多すぎない我孫子だからこそ、普段から地元クルーの皆さんと繋がる機会もたくさんも頂けているので、そこはNECというチームの強みだと僕は思っていますね。

 
そういえば、我孫子のカフェにはいつもラグビー選手たちがいるイメージがあります。

亀井さん
コーヒー好きな選手も多いですからね。
今は退団してしまったんですけど、パッチ(リース・パッチェル)はお酒はあまり飲まないタイプだったんです。
ただ、コーヒーはすごい好きだったんですよ。

だから、よく「我孫子のカフェに一緒にコーヒー飲みに行こうよ」って誘ってましたね。
そこでコミュニケーションをとっていましたし。

カフェという場所があることは、僕らにとってもプラスになっていますよね。
グラウンドの外でリラックスしながら話せるような場所になっていますから。

スポーツってもっと「感覚」の部分を重視した方がいいんじゃないか。

 
亀井さんは大きな怪我をして、一時期、試合に長く出られない時期がありましたよね。

亀井さん
ありましたね。アキレス腱を切ってしまって1シーズンほぼ出られないことがありました。

 
そういう時はどのようなことを考えて過ごされているんですか?

亀井さん
実はアキレス腱を切ったそのタイミングで、僕は社員選手からプロに転向したんですよ。
側から見たら「試合にも出れないし、何かんがえてんねん?」と思われてもおかしく無い判断だったと思います。

ただ、僕としてはラグビーにコミットしている時間も増やしたかったし、実は怪我をしてプレーできていない余白の時間が、自分にとって良い意味で考える時間になってくれたんですよ。
だから、「怪我はマイナスですけど、良い怪我もあるんだな」って思いました。

グラウンドを離れて一人で考える時間を持てたということも含めて、プロというキャリアを選んで良かったと感じていますね。

 
亀井さんは去年30代に突入しましたが、今後、やりたいことなどありますか?

亀井さん
20代の頃はとにかく自分のパフォーマンスをあげるために突っ走ってきたような感じだったんです。

でも30代からは、いかにチームを引っ張るか。
特にチームの若手の選手たちをリードするような役目を僕らが担っていく立場だと思うんですよ。
そこに力を入れていきたいですよね。

 
若手選手が伸びていくためのサポートになるようなことをしていきたいんですね。

亀井さん
はい。フミさんに昔よく言われていた、
「若くて体がまだまだ動く時に、ガンガン行け。そうじゃないと行けなくなった時に後悔するから。」
っていう言葉が僕の頭に残っていて。

だから、今の若手にも、もっとガンガン行ってもらいたいな。とは思いますけどね。


練習の強度はもちろんですが、最近のアスリートの方々のトレーニングはどんどん科学的になってきているイメージを持っているんです。パフォーマンスに対しての数値分析なども進んでいるとおもうんですが、そのあたりはどう考えていますか?

亀井さん
確かに最近は選手たちの能力をデータとか数値で管理して、理にかなった練習はすごい増えてきていると思うんです。そういうところに目が行きがちなんですが…

スポーツってもっと「感覚」の部分を重視した方がいいんじゃないかって僕は思ってまして。


感覚的にプレーする…ということですか?

亀井さん
僕が思う「感覚」と言うのは、「イケる状況の時に無意識に動ける」ってことかもしれません。
イケる!という状況が来た時に、体が勝手に動いていないとダメなんです。

その域まで出来ないとプロとしてはダメなんですよ。本当にチャンスは一瞬ですから。


無意識にできるレベルまで積み重ねるのが大切なんですね。

亀井さん
はい。ラグビーってやるべきことが本当にたくさんあるんですよ。
立ち位置とか、体の向きとか、どこを見ているとか…。
これが全部繋がって、最終的に良い結果につながるってことだと思うんです。

(終わります。)

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