【推せ推せ!グリロケ!クルーの輪】GR東葛スタッフ・辻高志さん(後編)

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NECグリーンロケッツのファン=通称クルーたちの熱い想いをインタビューし、
次のクルーに繋げていくこの企画!

第十三回目は、グリロケのアシスタント・ゼネラルマネージャーの辻高志さんにお話をお伺いしてきました。

選手としてはNECラグビー部を日本選手権の王座に導き、その後は早稲田大学ラグビー部のコーチ・監督、そしてグリロケのコーチも経験。

「自分の中でラグビーはやり切った」という想いから一度はNECの本社に勤める会社員となりましたが…

6年の時を経て、今、再びGR東葛に戻ってきた!!

まるでドラマ「ノーサイドゲーム」の主人公の君嶋を地でいくような辻さんの人生。

「柏の葉グラウンドを満席にすることで東葛をもっと面白い街にしたい」という目標に込められた想いをしっかりとお届けしたいと思います。

前編はこちらから!

目次

コーチ・監督は、頑張っている選手を信じ切ることが大事。

インタビュアー酒井:
選手を引退されてからは、早稲田大学のコーチ・監督というキャリアを歩まれていますよね。

プレイヤーと違って、中間管理職的なコーチのような立場になって、またラグビーとの付き合い方も変わったと思うのですが…。

勝てない時期はやはり迷いが生まれます。

辻さん:
はい。やはりそこでも迷うことはたくさんありました。

選手時代に培った「前へ」という精神は伝えつつも、チームが勝てない時期にはやはり戦術を考えるような時期もあったり…本当に悩む時間も多かったんです。

ただ、ある日、毎日辛い練習についてきてくれる選手たちが試合で頑張っている姿を見て…

「なんでこんなに頑張っている選手たちを、自分は心から信じてあげられてないんだろう…。」

という気持ちがふっと降りてきたというか。

その時に自分が選手たちを指導する立場として出来る一番の仕事は、

「頑張っている選手たちを信じきること」なのではと思えるようになったんです。

そこからは、
「選手たちはこれだけ練習を頑張ったんだから、きっとやってくれる」
という気持ちで試合を見ることができるようになりましたね。

インタビュアー酒井:
そういう姿勢は、試合でプレーしている選手たちにもやはり伝わりますよね。

辻さん:
そうなんですよね。
しかも、その方が自分としても楽しいんですよ。

試合でも、なんでもかんでも指示したことをやらせるではなくて、信じて見ている方が楽しいんです。

試合に気持ちよく選手を送り出すことができるんですよね。

自分にできることは、選手を信じ切ること。

その気持ちについては、今の立場になってもやはりあります。

NECグリーンロケッツの選手たちも同じように頑張ってくれていますし「なんとかしてくれるだろう」という気持ちで試合を見ることができますよね。

普通の「サラリーマン」から、アシスタントゼネラルマネージャーへ。

コトブキ小野社長:
その後、NECでコーチを経験してから、ラグビーからは一旦離れているんですよね。

辻さん:
はい。そうですね。NECの社員として6年ほど本社勤務をしていました。

インタビュアー酒井:
その間、グリーンロケッツの試合を観に行かれたりしたんですか?

一旦は本当にラグビーから離れていました。

辻さん:
それが、まったく観てなかったんです。本当にラグビーから離れていたんですよ。
柏の葉に年一回、家族で応援に行くくらいで。

自分の中では「本当にラグビーをやり切った」という気持ちで一杯だったので観ることもなかったんです。

インタビュアー酒井:
ずっとラグビーをしている状態から、普通の会社勤めに生活をシフトするのは、結構な戸惑いがあったんと思うのですが…。

辻さん:
そうですね。やはり最初は大変でした。

ずっと会社員として働いている同期と比べると「ビジネススキル」という面では遅れをとっていますから。

新人のような気持ちで…
そうとう絞られて打たれて、そして這い上がって…というサラリーマンの日々を過ごしていましたね。

インタビュアー酒井:
そんな中で、急に「グリーンロケッツのマネジメントへ」という声がかかったんですよね。

辻さん:
はい。人事からグリロケへのスタッフへの打診を受けまして。
「一週間後にまた返事を聞く。」と言われたんです。

本当にラグビーから気持ちは離れていたので、正直驚きましたね。

ただ、言われてすぐに
「ラグビーのマネジメントをやったことない。やってみたい。」
という答えがパッと自分の中に出てきたんです。

きっと一週間後も同じことを考えているし、悩んでもしょうがない。と瞬時に思えたんです。

なので「やります。」とその場で即答しました。

地域にラグビーを広めるために、愛されるチームでなければならない。

将来的に関わらせて頂いた子供達が大人になった時にラグビーを語ってくれたら…。

インタビュアー酒井:
去年のラグビーフランスW杯後には、リーグワンにも世界のトップレベルの選手が多く移籍してきました。

ただ、まだまだ日本でのラグビーの認知というのは上がり切っていない気がするのですが、ラグビーを世間に広げていくという課題についてはどうお考えですか。

辻さん:
あぁ…。本当にその部分についてはラグビー関係者みんなが悩んでいる課題ではありますよね。

私の時代は「スクールウォーズ」という最高の影響力がありましからね。

世間への影響力をどう出していくかは、ラグビーだけなく実は他のスポーツ関係者の方、例えばバスケ、野球、サッカーなどの関係者の方にも話をお伺いしたんです。

そこで思ったのが、やはり「近道はない」ということですよね。

まずは「認知してもらい」そして「興味を持ってもらう」こと。

これを粛々とやるしかない。
例えば、地元の小学校でタグラグビーを教えさせていただくようなこと。
これを丁寧にやっていくことが、着実に影響力を出していくための方法になると考えています。

今すぐにではなく、将来的に関わらせて頂いた子供達が大人になった時にラグビーを語ってくれたら良いと思っていますよね。

そのためには、グリーンロケッツが地元の方々に「愛されるチーム」でなければならないんです。

インタビュアー酒井:
確かにそこでも「人間力」という部分が役に立ちそうですね。

一方で、僕がインタビューをしていて、みなさん口を揃えていうのが、
「ラグビーW杯の日本大会の感動はすごかった」
なんです。

そのタイミングでリーグワンも始まってラグビーファンも急増したと思うんですが、
やはりコロナウイルスの影響が邪魔をしたという感じですかね。

ラグビー日本W杯後のコロナウイルスは本当に悔しかった…。

辻さん:
おっしゃる通りなんですよ。

あのW杯の時の影響は凄まじいものがありました。ラグビー観戦のお客様はもちろん増えましたし、
NECがやっているラグビースクールに入る生徒さんの数も、ものすごく増えたんですよ!

それが、コロナのせいで…あぁ…という感じですよね。

「たられば」の話になってしまいますが、あれは本当に悔しかったです。

インタビュアー酒井:
ラグビーって経験者が極端に少ないスポーツだと思うんですよ。

実は以前、僕はラグビー経験をさせてもらった時にタックルを受けたことがあるんですが、
「こんな激しいことを選手はやっているんだ。」って相当驚いたんです。

そういう意味ではラグビーを経験できる機会や場所がもっとたくさんあれば良いのに…と思ってしまいますね。

ただ世の中の風潮的に、今はだんだんと子供に対して危ないことをなるべくさせない方向に向かっているというか…。
ラグビーのようなフルコンタクトスポーツって、そういった精神的な壁のようなものもケアしていく必要もありますよね。

辻さん:
そうですね。そもそも生きている中で全力で人にぶつかっていく経験自体なかなかないことですからね。
ここは、本当に難しいところで…。

やはりスクールウォーズ的なコンテンツがあれば…。

インタビュアー酒井:
ドラマ「ノーサイドゲーム」は、大人向けでしたけどそれに近い感覚がありましたよね。

そういえば、「本社から出向したエリートサラリーマン君嶋」がラグビーのゼネラルマネージャーになってチームを強くしていくというお話…

なんか辻さんも立場的には一緒ですね!!

ドラマ「ノーサイドゲーム」を地でいく辻さん。


辻さん:
笑あぁ…確かにそうですね。
でも、あのドラマ、本当に面白かったですよね!

大勢で感動を共有する素晴らしさで、東葛をもっと面白くしていきたい。

東葛を応援の熱気で面白い街にしていきたい。

インタビュアー酒井:
最後に、グリロケのファンの皆さま、そして東葛エリアの皆さまへメッセージをお願いします。

辻さん:
はい。
我々、NECグリーンロケッツは東葛地域のラグビーチームとして「愛されるチーム」になっていきたいという想いを強く持っています。

ファンの皆さまと一緒に、ホーム柏の葉グラウンドを満席にすること…
具体的にいうと来場者数1万人を目指したいと思っています。

これはグリロケのためというよりも、東葛エリアの大勢の仲間と一緒に一つのものを「応援できる瞬間」を共有できたら本当に素晴らしいのでは…という気持ちもあるんです。

それが実現できた時に東葛という場所がもっともっと面白い場所になるでしょうし、そういうところに住みたいって私自身も思うんですね。熱気と感動をみなさんと共有したいんです。

あと、東葛以外の都内にいるファンの方々も…
柏の葉へは「つくばエクスプレス」で1本で行けますので、実は近いんですよ。

なので、東葛エリア以外の方でラグビーに興味がある方はぜひ気軽に応援に来てもらえたらと思っています!

左・辻さん、右・コトブキ小野社長

(終わります。)

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