こんにちは、編集の酒井です。
グリーンロケッツの応援席に、いつも一際楽しそうな声を響かせている大柄な男性がいます。
ひと目見れば、「あ、この人、絶対ラグビーやってるな」とわかるような、豪快で親しみやすい雰囲気。
アウェイの試合でも、グリロケの応援ソング「アンセム」を大声で歌い、選手たちとも自然に話している姿が印象的です。
この人、いったい何者……?
というわけで、気になりすぎたのでインタビューさせていただきました!
今回お話を伺ったのは、雄大(ゆーだい)さん。
高校時代からNECラグビー部が大好きで、ご自身も学校のラグビー部に入部。
それ以来なんと、四半世紀以上もラグビーをプレーし続けている“現役ラガーマン”なんです。
しかも、ただ観るだけじゃなくて、プレーもずっと続けているというから驚きです。
ラグビー歴はもうすぐ30年。
観て楽しい、やってもしんどいけど楽しい。
そんな雄大さんに、「ラグビーの楽しみ方」、じっくり教えてもらいました。
聞き手・編集:酒井公太
ラガーマンは減っているけど、ラグビーの観客は増えている。
ー
ゆーだいさんは、ラグビーを今でも趣味でプレーされている現役・ラガーマンなんですよね。
雄大(ゆーだい)さん
はい。15歳の頃から今までずっとやってきてますね。
ー
失礼ですが、あまりに年齢不詳なのでお歳をお伺いしてもよろしいですか?
雄大(ゆーだい)さん
今、42歳ですね。だから、もう27年ラグビーやってますね。
ー
もう四半世紀以上、ラガーマンですか!ラグビーを始めたきっかけって覚えていますか?

雄大(ゆーだい)さん
自分は、高校が男子校だったんですよ。
それで、入学した時に「男臭いことをしてみたいな。」という気分になりまして。
ー
「男の世界」にどっぷり浸かりたくなったんですね。
雄大(ゆーだい)さん
はい笑
それで、柔道かラグビーで迷っていたんですが、その時に母親から、
「格闘技やらせるために、学校行かせてるんじゃ無いんだから」
って柔道は反対されたんですよね。そんな感じで、残ったラグビーをやろうって感じになりましたね。
ー
ラグビーに関しては親御さんも寛容だったんですね。
雄大(ゆーだい)さん
なんかそこはOKだったんですよね。
親父の会社の後輩が元ラガーマンの方がいて、その人のことを随分可愛がっていたようだったので、ラグビーに関してはイメージは良かったみたいです。
ー
高校に入学された時は、平成初期くらいですよね。
入部されたラグビー部は当時どれくらい部員がいらっしゃったんですか?
雄大(ゆーだい)さん
大体、30人くらいですかね。
そこからウチの学校は強豪校になって関東大会に進出するようになったみたいですけど…。
令和の今となっては「ラグビー=危ないスポーツ」みたいなイメージになってしまったらしく、母校の部員も5名くらいしかいないみたいですね。
だから、試合に出る時も他校との「合同チーム」という形で出ているみたいです。
ー
ラグビーに関する人の規模が、平成に比べると少なくなってしまっているんですかね。

雄大(ゆーだい)さん
いや、実はそんなことないと思っているんですよ。
確かにプレーヤー自体は減っているんですが、ラグビーの観客数自体はどんどん増えていると思うんですよね。
自分が高校でやっていた時はこんなにラグビーを見る場所や機会がなかったですからね。
そんな状況だから、今は強豪校にラグビーをやりたいと思っている子達が一極集中してしまうのかな…
と勝手におもっているんですけどね。
勝敗はフォワードがつけて、点差はバックスがつける

ー
ゆーだいさんは、どのポジションでプレーされているんですか。
雄大(ゆーだい)さん
僕はずっと1番。プロップです。
ただ、体重の方はずっとステップアップしていますね笑
高校の時は83kgくらいから増えなかったんですが、大学でクラブチームに入ってアルコールを覚えてからは90kg代に乗るようになり、社会人になってラグビーを続けて…今は100kgを超えるようになりましたね。
ただ今はちょっと体が重いですかね。学生時代と比べて練習の量も減りましたし苦笑
ー
プロップというポジションをやるようになったきっかけは何かあったんですか?
雄大(ゆーだい)さん
高校の頃は監督や先輩に言われてムリやりという感じでしたが…
大学以降は、プロップというポジションの面白みがわかってきた感じですね。
ー
僕のイメージだと、プロップってある意味、チームにおいて、「縁の下の力持ち」的なポジションだと思うんです。
雄大(ゆーだい)さん
今のラグビーはプロップでもそうじゃない選手も増えてきていますが、僕の学生時代の時はやはりそのイメージが強いですよね。花形のバックスを支えるために、ボールを確保するフロントロー&セカンドローみたいな。
ただ、そういうチームのために「体を張るポジション」が自分には似合っているかもな。という気持ちは当時からありました。
ー
実は、奥ゆかしい性格なんですね。
雄大(ゆーだい)さん
いや、僕の周りにいる人は、全然そんなことないって思っているでしょうけど笑
ただ…プロップは確かに「しんどいポジション」なんですよ。
スクラムなんて特にしんどいですからね。
そのしんどいところで頑張るのが、自分は良いと思っているのかなぁ…。
ー
あえて、しんどいことをすることが、ゆーだいさんの性格に合っている?
雄大(ゆーだい)さん
そうなのかもしれないですね。
他のポジションもカッコ良いとは思っているんです。
ただ、年齢を重ねていくと、全力で走り回るということが大変になってきますから、フロントローのようなポジションが今の自分に合っている気もするんですよね。

ー
スクラムを組んでいる時って何を考えているんですか?
雄大(ゆーだい)さん
いや、そこはやっぱり「しんどい」が一番最初に来ますよね。
でも、その中でちゃんとボールがキープ出来たり、フォワードの8人で一丸となって相手を押せたりすると…
やっぱりこのポジションは良いなって思いますよ。
チームメイトと「絶対にいける!」って声を掛け合いながら、一体感を感じられるのが好きなんですよ。
ー
スクラムってラグビーを初めて見にくる人が、最初に疑問に思うプレーだと思うんです。
ラグビーのゲームの中でのスクラムの役割ってどういうものなんでしょうか。
雄大(ゆーだい)さん
スクラムって「リセット」的な役割があると思っていて。
そこまでのゲームの流れを一旦リセットして、仕切り直せるというか。
仮に相手ボールのスクラムで始まったとしても、スクラムで押し返してボールを確保できたら流れをこっちに引き戻せるし、逆も然りですよね。
そういうことをチームみんなで声かけあって、挑戦するタイミングがスクラムだという。
ー
一つのプレーでもあるし、チームの意思の統一をするような時間でもあるんですね。
雄大(ゆーだい)さん
あぁ、そうですね!そんな感じだと思います。
あとは、本当にスクラムっていろんな要素が加わってくるんですよ。
力の差だけじゃなくて、レフリーの印象…見た目的なこともあるし。
高校の監督によく言われていたことで、
「勝敗はフォワードがつけて、点差はバックスがつける」というのがあったんですよ。
僕らフォワードがしっかりしないと、試合には勝てないって言われ続けてきたんですよね。
ー
なんというか、考えることがたくさんあるんですね。
フォワードの方はスクラムの話だけで本当に何時間も話せるって聞いたことがありますが、今まさにそれを体験している気分です。
雄大(ゆーだい)さん
本当に話せるんですよ。スクラムについては…!!
うーん…こんなに偉そうに言っちゃって良いのかな笑